信じられない噂が飛び込んできた。
いまだに、クリスマスをカップルで過ごしている人がいる、というのだ。正直、我が耳を疑った。
すでに21世紀になって16年も経つというのに、今どき、クリスマスを恋人と過ごすなんて……。
今の流行は間違いなく「ひとり」だ。
ひとり専用カラオケ、ぼっち飯、孤独死……世の中はおひとり様むけの言葉であふれている。
私はトレンディな人間なので、クリスマスも当然、ひとりで過ごす。
カップルでゴミゴミした街を歩くなんて、高級ホテルに宿泊だなんて、時代遅れもはなはだしい。
【サンタはいる、でも聖夜を2人で過ごす必要はない】
勘違いしてほしくないのは、私は「クリスマス爆破」や「クリスマス中止のお知らせ」などといったデマを流す、
アンチ・クリスマスの過激派ではないということである。
マライア・キャリーのおなじみの曲が流れてくればウキウキと心踊るし、
竹内まりやが流れてきたらフライドチキンが食べたくなる。
今年33になるが、サンタクロースの存在も信じている。
ただ、織田裕二がワム!の『ラストクリスマス』をカバーした理由だけはよくわからない。
【1人だから超人気のビュッフェにも行ける】
さて、そんな今をときめくアーバンレディの私がどんなクリスマス・イブを過ごすか紹介しよう。
ウェブメディアに携わる者として、スイーツトレンドは外せない。
今年は、毎回大人気のヒルトン東京のスイーツビュッフェが1席だけ空いていたので予約してある。
24日に空いていたのは1席だけで、私が予約した途端、空席はゼロに。
2人では予約できなかった。要するに、カップルはお断りってことだ。
毎回満席で有名なヒルトンのスイーツビュッフェに入れたのも、
私がひとりだったからこそ、である。今回のコンセプトは「ヘンゼルとグレーテルの家」。
サンタを信じるピュアレディにはぴったりのメルヘンチック企画。
ひと目を気にせずに好きなものを目いっぱい食べられるなんて。
ひとりでビュッフェなんて寂しい?
そんなチョベリバな感情は20世紀に捨ててきたので心配無用である。
【夜は大事な予定があるのでひとりで過ごしたい】
ちなみに、今年は年末の総決算、有馬記念があるので、
祈りを捧げながら、競馬予想に費やす予定だ。
有馬記念はオールスター戦で「荒れるレース」として有名。
どの馬が勝つかの予想は非常に難しく、とてもひと晩では終わらないほどである。
そもそも競馬予想には集中力が必要なので、
クリスマス前の土曜日だからといって、恋人にベタベタされると迷惑なのだ。
「馬と俺、どっちが大事なの?」……愚問すぎる。
「じゃあ、お前に馬並みのスタミナがあるのか」と問いたい。
【クリぼっちよ、胸をはれ】
いかがだったろうか。愚か者の群れが我々のソロ活動を「クリぼっち」などと呼びあざ笑うかもしれない。
だがそれは、ひとりで生きられぬゆえの妬み、嫉みにすぎない。
悪魔の声に惑わされることなく、安心して、クリスマスをひとりで過ごそうではないか。
メリー・クリスマス、ミスター&ミス クリぼっち!!