日頃の感謝の気持ちを込めて贈るお中元。
最近では、相手の好みに合わせた商品を贈りたいというニーズが高まり、儀礼的な色を薄くしたカジュアルギフト感覚で購入する人が増えているようだ。
百貨店などでは個性的な商品を期間限定で展開するため、自分のご褒美に購入する人も目立ってきたという。
【自分へのご褒美に】
「美容と健康に良い、ヨーグルトがお薦めです」。
百貨店の西武池袋本店(東京都豊島区)のお中元総合ギフトセンター。
その場でヨーグルトを食べたり、購入したりできるヨーグルトバーが目玉として用意された。
東京都練馬区の主婦(50)は、自分用と知人のお見舞い用にヨーグルト数点を購入した。
「お中元の贈答はしていませんが、この時期にしか手に入らない商品があるので売り場に寄りました。食べるのが楽しみ」と話す。
そごう・西武のお中元担当、清水洋司さんは「自分へのご褒美にお中元を買う人が増えている。ヨーグルトは毎日食べる人も多いため、日常の中のぜいたく品として提案しました。池袋本店では試食できるので、納得した商品を贈ることができます」と話す。
【SNS映え】
矢野経済研究所の推計によると、お中元の市場規模は縮小傾向にある。平成26年は8190億円だったのが27年は8180億円と減少。29年は8100億円と予測している。厳しい状況のなか、各社が力を入れるのがカジュアルギフトだ。核家族化、少子化などを背景に、儀礼的な要素の強いフォーマルギフトが縮小する一方、親や友人など身近な人に感謝の気持ちを込めて贈るカジュアルギフトが注目されている。