寒くなるにつれて、生理不順になったり生理痛がひどくなったりと、女性ならではの悩みを経験したという方は多いのではないでしょうか。寒い季節は女性ホルモンの分泌が不規則になりがちです。女性ホルモンのバランスが乱れると、どういった問題が起きるのでしょう?
女性ホルモンの仕組みの解説
そもそも女性ホルモンとはなんなのでしょうか。女性ホルモンとは、妊娠を成立させて維持し、出産するために、脳からの指示で分泌される卵巣を刺激するふたつのホルモンをまとめたものです。それぞれ、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」といいます。このふたつのホルモンが分泌される量は月経周期によりかわります。
エストロゲンには受精卵を受け入れる卵胞期の準備をするために、子宮内膜を厚くする働きがあります。そして、卵胞から卵子が出る排卵期の直前に分泌量が最大になります。
一方、プロゲステロンは、排卵後から多く分泌されます。卵胞を子宮内膜が着床に適した状態に維持する、黄体組織に変化させるためです。これを黄体期といいます。ただし、妊娠が成立しなければ不要になるので、次の生理が始まると分泌量が減少し、再びエストロゲンの分泌が増えます。
このように、生理周期によってふたつのホルモンの分泌量が変わることにより、妊娠の準備のほかにも、女性らしい体や美しい肌を保つ働きをしています。
女性ホルモンのバランスが乱れる原因とは?
女性ホルモンのバランスが乱れる原因は非常に多く、個人の生活習慣によっても異なります。
女性ホルモンのバランスの乱れにより重い生理痛や不快症状などはもちろん、場合によっては生理不順や排卵障害などを引き起こし、不妊につながることもありますので油断は禁物です。
ここでは注意すべきことがらを、いくつかあげていきます。
・冷え
女性ホルモンのバランスの乱れにより、冷えが起こることもありますし、逆に冷えが女性ホルモンのバランスの乱れを招くことがあります。冷えは、寒い時に薄着で我慢してしまう場合などはもちろん、暖かい季節でも入浴をシャワーだけですませていたりすると、起こりやすくなります。
・睡眠や食生活の乱れ
ホルモン関係のトラブルには、睡眠による問題が隠れていることがよくあります。夜になると体は眠る準備をはじめます。それなのに遅くまで起きていると、脳や各臓器に負担がかかることがあるようです。また、朝食を摂らない、ジャンクフードを食べがち、カフェインの過剰摂取といった食生活の乱れも、女性ホルモンの乱れに影響を与える可能性があります。
・ストレスによる自律神経の乱れ
ストレスにより脳を受けると、女性ホルモンの分泌や自律神経などをコントロールしている脳の視床下部と下垂体が影響を受けてしまい、自律神経が乱れ、女性ホルモンのバランスも乱れます。
・婦人科系の病気の可能性
具体的には「PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)」といった病気などが原因で、女性ホルモンの乱れが引き起こされていることがあります。
女性ホルモンのバランス乱れはどうやって解消すればいいの?
女性ホルモンのバランスを整えるには、規則正しい食生活が不可欠です。寒い時期は体温が下がりがちですので、身体を温める食材を摂ったり、首や手首、足首などの血流が多いところを冷やさないよう、気をつけましょう。
生理前にはコーヒーなど神経を過敏にしがちなカフェインを控えることも気をつけてみましょう。また、軽い運動を心がけると代謝がよくなり、血行もよくなるため女性ホルモンを整えるのに効果的です。ほかにも早めの就寝と、気持ちよくスッキリ起きられる環境作りも意識しましょう。
これらとあわせて、ストレスが溜まりすぎていないか、日々の状態も意識し、できる限りリラックスできる環境を整えましょう。女性なら、誰に起きてもおかしくない女性ホルモンの乱れ。快適な生活を送るためにも、対策をしっかりとっていきましょう。
【参考】
女性ホルモンの分泌のしくみと分泌量の変化
http://www.skincare-univ.com/article/013895/
女性ホルモンが支配する!?月経周期と基礎体温。月経周期のメカニズム
http://hormonecare-pj.net/study/bbt
【医師監修】女性ホルモンのバランスが乱れる原因と4つの改善方法
http://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/23
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因は?その症状や改善法について
https://excefk.com/2016/03/09/tanouhousei-ransou/
ホルモンバランスの乱れで出る症状は?原因と改善策は?
https://192abc.com/54002