「脳イキ」に関する専門家の意見やアドバイス
過去の快感の記憶が「脳イキ」をもたらす
「触られたら気持ちいい」という記憶から、「触られそう」と思うだけで体が反応するという女性は多いそうです。『最高の快感に達する「スローセックス」の教科書:すべての女性が「感激する」理由85』(アダム徳永)には、以下のような記述があります。
「スローセックスでは、なぜ今まで感じたことのないような快感が得られるのか。
その理由の一つは、『女性の全身が性感帯』になるからです。
皮膚に受けた刺激を脳が”快感”として捉える機能―これを私は”性感脳”と呼んでいます。
この性感脳は、ほとんどの女性の場合、もともと開かれて(開発されて)いるものではなく、確かなセックスを体験することによって育まれます。一般的には数回のスローセックスを経験することで開かれますが、私を相手にした場合は、たったの一回で完全に開かれる女性もめずらしくはありません。
女性の性感脳が完全に開かれて、感じやすいカラダに変化すると、そこに突如として、夜空にまたたく星の数ほどの性感帯が出現する。
スローセックスは、その一回一回の快感や幸福感だけでなく、長い期間を使って『感じやすい脳』をつくっていくことができるところに真骨頂があるのです。
(中略)
そうなると、文字通り『全身が性感帯』に。脇腹やひじ、ひざの裏はもちろん、果てはクンニのあと、足の親指と人差し指の間を擦っただけで絶叫し、頭を激しく揺すりながら、なんと、白目をむいてオーガズムを迎えてしまったのです。」
このように、脳が快感を覚えてしまうと、感じることを予測しただけでイクことができるようです。脳イキするためには、あらかじめ多くの性感帯が開かれている必要があるかもしれません。
女性の夢精は脳イキ!?
男性だけでなく、女性も夢精することがあるようです。特に体を刺激しているわけではないのに、オーガズムに達するのは脳イキしているということなのかもしれません。『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス 上級編』(宋美玄)には、以下のような記述があります。
「(前略)
そして、近年は女性も夢精をするという、興味深い報告が寄せられています。眠っているあいだ、特に身体や性器に触れたわけでもないのに、激しい快感に襲われ、膣が痙攣し、オーガズムに達するというものです。男性と違い、精液を放つわけではないので、”ドリーミング・オーガズム”といったほうが、ふさわしいでしょう。
男性の場合は、精子が一定量以上溜まると夢精が起きるといわれていますが、女性の場合は何をきっかけにこのドリーミング・オーガズムが起こるのか、何のために起こるのか、そしてどのくらいの頻度で起こるのかなど、詳細はまだ明らかになっていません。一説によると、性欲が高まったときに夢精をするともいわれていますが、男性のように物理的に溜まるものがあるわけではないので、調査をするにしても簡単にはいきそうにありません。また、夢との関連も今後、研究が待たれます。男性の場合、必ずしもセクシャルな夢が必要というわけではないようで、性的要素がまったくない夢を見て射精にいたる例も少なくないようですが、女性はどうなのかも興味深いところです。
興味深いのは、セックスのときは膣でオーガズムを経験したことがない女性も、ドリーミング・オーガズムでは膣でイク人がいるという報告があることです。オーガズムは経験によって身体に覚え込ませていくもの。一度でも経験すれば、その後は比較的にイキやすくなります。夢精を体験した女性は、少なくともイッた経験があるということになります。女性のオーガズムは深くて複雑なものだと、ますます驚かされます。