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<新型コロナ>卒業式に工夫 門出祝う

新型コロナウイルス対策で閉塞(へいそく)感が漂う中、巣立ちゆく教え子たちにサプライズ演出したり、会場に入れない保護者向けにインターネットで様子を中継したり、工夫を凝らして門出を祝う学校もあった。

千葉市や船橋市など県内各地で十二日、中学校の卒業式が開かれた。新型コロナウイルス対策で閉塞(へいそく)感が漂う中、巣立ちゆく教え子たちにサプライズ演出したり、会場に入れない保護者向けにインターネットで様子を中継したり、工夫を凝らして門出を祝う学校もあった。

◆黒板アート 我孫子市立湖北中・先生が生徒に感謝込め

 我孫子市立湖北中学校(石井美文校長)では、卒業式に出席するため、三日の休校開始以来、久しぶりに教室に入った生徒たちを、黒板いっぱいに描かれた見事な絵が出迎えた。

 旅立ちの春を迎えた三年生約百四十人に華やぎを味わってもらおうと、先生たちがつてをたどって、プレゼントした「黒板アート」だ。絵は、ほうきにまたがって空を飛ぶ魔法使い、おいしそうに盛り付けられた食べ物、楽しげなハワイの風景、色鮮やかな桜の木と花びらの四種類。全学級が一種類ずつの作品で彩られた。

 美術大学の卒業生とチョークアーティストら、女性三人が七日と九日の二日間で、作品を仕上げた。三年四組の担任で、学年主任の篠田章宏教諭(35)によると、このプレゼントは、三年生を担当する教職員全員がアイデアを出し合って決め、絵心のある知人に声掛けしたという。

 「三年生は、東日本大震災の時、幼稚園や保育園の卒業を迎えたが、福島第一原発事故の影響などで、節目のセレモニーを十分楽しめなかったはず。今回も感染拡大防止のため、下級生たちに送り出してもらえなかったりしているが、少しでもよい思い出になれば」。篠田教諭は話し、付け加える。「私たち教職員も(指導を通じて)成長させてもらった。生徒に対する感謝の気持ちを込めた」

 「黒板を見た瞬間、『私たちのためにやってくれたんだ』と感激した」。こう打ち明けるのは、卒業生の森田海月(みづき)さん(15)。「高校入試が終わり、さあ思い出づくりにという時の休校で、とても残念だっただけにうれしい。先生はむろん厳しい面もあったけど、温かく接していてくれたことがあらためて分かった」と笑顔を見せた。

◆音声配信 柏市立柏第二中・校庭などの保護者らに

 柏市内の中学校では、新型コロナウイルス感染防止のため、三年生と教職員のみで卒業式が行われた。市立柏第二中学校は、卒業式に参加できず、校庭や自宅で待機する保護者らに、式の様子を音声で配信した。

 音声はインターネットを介して中継され、スマートフォンなどで専用サイトに接続すると再生できる仕組み。体育館で卒業式が続く間、校庭では約四十人の保護者が待機。それぞれスマホを手にし、卒業証書授与で子どもの名前が呼ばれると、拍手や歓声を上げる人もいた。

 三男が卒業した須崎美紀さん(50)は「卒業式が無事開かれてほっとした。音声だけでも、厳かな雰囲気が伝わってくる」と聞き入っていた。

 式で合唱の指揮をした卒業生、吉岡優豪さん(15)は「親に指揮をする姿を見せられず残念だったけど、音声だけでもつながって良かった。久々に会った先生や友達に感謝も伝えられた」と笑顔を浮かべた。

 同校の杉本秀彰校長は「できるだけ通常に近い卒業式にしたかった。小学校入学時にも東日本大震災の影響で変則的な式を経験したと思うが、たくましく育ってほしい」と話した。

 柏市教育委員会によると、卒業式の様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」で中継したり、録画したりする中学校もあったようだ。

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